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<ゲスト紹介>

子安武人。第11回目の放送にして、ついにこの番組に登場。ディオ・ブランドーを演じるにあたってどんな想いをこめたのか。そして、子安武人が語るジョジョの魅力とは。


上田燿司(以下、上):ようこそいらっしゃいましたー。

子安武人(以下、子):どうもこんにちは、子安武人です。カタい…ねえ。

上:(笑)こういう体(てい)でいけっということで、第1回目からこういうスタイルでやってます。

子:びっくりした。真面目な雰囲気じゃないですか。僕、そんなにカタい話ないですよ。大丈夫ですかね。

上:僕も正直、はじめはスピードワゴンみたいに勢いで「よくぞ来てくれたなぁッ!」みたいな感じでやるのかと…。

子:ねえ。そんな感じかなーと思ってたけど「あれ?シックだな」と。

上:このアニメは視聴者層が広くて、ストライクゾーンの方はもう大人じゃないですか。だから、大人の視聴者の方にも応える番組を、というコンセプトなんです。

子:確かにそういうのも素敵だよね。僕はキレてるスピードワゴンを想像してきたので(笑)あまりにも大人で、びっくりしちゃった。

上:誰って感じなんですけど(笑)

子:この番組、僕のファンの子たちがけっこう聴いてて。毎回色んなゲストさんが来て面白い話をして帰っていくから、子安さんもよろしくお願いしますねってファンの子から言われるんですけど。

上:ありがとうございます。

子:でも僕、そんなに面白い話持ってないんですよ。

上:面白いといったって、そんな笑わせるような番組じゃないですから。

子:せっかく来たら笑いの一つでも取って帰らなきゃいけないんじゃないか、って感じがあるじゃないですか。音響監督の岩波さんも来たって聞きましたけど、真面目に話して帰ったんですか?あの人。

上:すっごい真面目な話しましたよ。僕もちょっと前のめりになるような。

子:そんな真面目な話、できるんだねえ。

上:(笑)

子:僕も多少真面目にいかないといけませんね。

上:そこは全然、お気楽に。

子:で、何が訊きたいんですか?

上:(笑)この現場には、元々ジョジョが大好きで入ってきた人と、そうでない人がいて。役者さんの中には、この作品のために原作を読み込んだ人もいましたけど、子安さんはどちらなんですか?

子:原作は知ってましたよ。詳しく知っているかとか、すごくマニアックなことまで知っているかいうと、そうではないですけど。当時、連載していたのも知ってましたし。

上:リアルタイムで知ってたんですね。

子:その時は自分が声優になるとは思ってなかったし、まさかジョジョがテレビアニメになって、ディオをやらせてもらえるなんて話になるとは思わなかったですね。
だけど、ディオ役のオーディションの話が来た時は「やっぱりな」と思いました。他にないんだろうなって(笑)

上:ジョジョがアニメ化するってなって、もし自分に役がくるとしたら…

子:ディオだろうな、と思ってて。その時はもう、演じる側の目線で見ていて。やるならディオはとっても面白そうだから、やりたいなと思ってたら、オーディションの話がきたんですよ。これはもう「やれ」と言ってるんだと。もし演らせていただけるなら命かけてでも演りきってみせる、くらいの気持ちで、やりきった感じですね。

上:初めて原作を読んだときのイメージっていうのは。

子:当時はね、怖かった。途中からはアクションが多くなったりしたけど、ホラー漫画に近かったじゃないですか。おどろおどろしい感じで、石仮面で、血が…。これは恐ろしい漫画が始まったな、って感じでした。
けど、大人になってから読み返すと当時の感想とは全然違いますね。描いてる原作者さんは、もちろん大人じゃないですか。大人目線でこれを描いていたんだなとか、どういう気持ちで描いていたのかとか、少年漫画として描いてるけど子供にも読んでほしいという気持ちがどれくらいあったのかとか…いろんなことを考えて。大人に耐えうる漫画を描きたかったのか、とか。広い層を取るのか、でもこれで広い層を狙ってるのか?とか(笑)

上:ははは(笑)そこまで。

子:なぜその時代にその漫画があったのか、どうやって生まれたのか。気になって色々調べたりしましたよ。

上:僕なんかもそうなんですけど、自分が漫画の主人公の年齢を超えてから読むと、自分もこんな考え方をしてたなって思うことがあるじゃないですか。

子:当時って漠然と読んでるでしょ?目線がどうこうじゃなくて、漫画を全体像として読んでいるような感じじゃないですか。だけど、役者になってその役をやるって決まれば、その役を中心的に見てしまうんですよ。第一部なんて特に、どう考えてもジョジョ目線じゃなくてディオ目線で読んでしまう。当たり前なのかもしれないけど、そうして読むと本当に面白い。ディオにも一つの線があって。
第一部はそういうストーリー的なものが凄くよくできてますよね。後々、バトルの方が中心的になっていきますけど。第一部は当時の漫画の中の時代背景、戦争があったり貧民があったりとか、そういう情勢を踏まえてできた人間像がある。だから、ひとえにディオの性格だけが悪いっていうわけではなくて、時代が彼を生んでしまうというか。彼みたいな人が他にももっといる、何が正解なのかわからないっていうところから、物語、お芝居を作らなきゃいけないなって。そんな風に考えてながら、読んでましたね。だからまぁ…疲れるっちゃ、疲れますよね(笑)
そうやって読み込んだものを持って現場に行くんだけど、そんなものどうでもいいようなアフレコ現場になるじゃないですか。

上:(笑)

子:なかば、がなり合い。「お前のパワーを見せてみろ!」「お前の熱意はどこにあるんだよ!」「そんな熱意じゃ俺は倒せねーぞ!」みたいな感じに、なるじゃないですか。

上:ええ。

子:作品としてのベースともかくとして、今、この瞬間の頭に思い描かれた考えでぶつかりあって物語が出ていく、というようなライブ感が、楽しかったですね。台本は基本的に読み込まなかったですよ。全然。漫画を読んで、さっき言ったようなことは考えてたけど、アフレコ台本はチェックするだけで。

上:へえー。

子:今は前もってリハーサル用にいただく本があって、尺を見ることができますけど。一回見るだけで全然見返さない。長いなーとか、ここ短いなーとか思うだけで、あとはもう現場で。

上:じゃあ、ベースはきちんとしてるけど…

子:情報としては入れてるってことね。

上:いざやるとなったら、かなり真っ白な状態で。

子:お芝居に関しては、「その場」だね。自分でガッチリ固めちゃうと…スタッフさんにもいろんなことを思ってる人たちがいるし、指示もあるし、臨機応変に変えていかなきゃいけないんで。僕はどの現場でもそうやってやってるんですけど。あまり決めないでニュートラルな状態でやってます。
僕の相手は主に興津くんになるけど、彼が主人公だから、興津くんの芝居形態とか喋り方によって、こっちも変えなきゃいけない。引っ張っていくのはディオだと思ってたから、僕は現場を引っ張るつもりで「こういう風にやるから、ついてこい」って思いながらやってましたけど。でもやっぱり、作品的なテイストを作るのは主人公だから、もし興津君がしょうもない芝居したら、しょうもない現場になってしまいますよね。そういう恐ろしいものなわけですよ、主役っていうのは。

上:ええ。

子:どんなに脇が頑張ったって、主役が番組を作っていくんだから。そういうことで言えば、興津君はすごく頑張ってた。僕は彼に対して「何がきたって俺を潰すことはできないぞ」「さあかかってこい」っていう感じで出したけど、彼は最終回まですーごい頑張って踏ん張って、互角以上のパワーで最後までやりきってくれて。ひっさびさに楽しかったですね。それは興津君にも言ったんだけど。「本当に楽しかったよね」って。終わった後に、お茶しながら「楽しかったよ」って握手して。そういう現場でしたね。

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