<ゲスト紹介>
大川透。熱い語り口調でジョジョの世界観をあますことなく表現する男。大川透が語る、ジョジョの魅力とは。
上田燿司:というわけで、ようこそいらっしゃいましたー。
大川透:大川透です。よろしくお願いします。
上田:ジョジョを連載していた当時、大川さんはもうジャンプは…。
大川:「ジョジョの奇妙な冒険」って変わったタイトルだから、聞いたことはあったんです。ちゃんと手にとって読んだことはなかった。
上田:僕もそうだったんですよ。
大川:そうなの?
上田:きちんと話を追って読んだのは今回が初めてです。
大川:ぶっちゃけた話、僕は役でオーディション受けたんですよ。それは落ちたんだけど、「もしかしたらナレーションになるかも」って言われて。それで、オーディションの前に少しは読んでおかないと、と思って第一部だけは読みました。
上田:オーディションを受けた人っていうのは、自分なりのイメージを持って台詞を言う、という作業を一回はやってるわけですけど。大川さんの場合は、現場でナレーションを立ち上げたそうで。
大川:最初の収録のときに、どの程度のテンションでナレーションをやったほうがいいのかまったくわからない状態だったんですよ。
すごくよく覚えてるんだけど、岩波さんに「ナレーションはどういう感じでやればいいですか?」って言ったら「僕に聞かないで」って(笑)
上田:ははは(笑)
大川:岩波さんとしてもハッキリ「これがベストだ」っていうのは言いにくかったんだろうし、俺がどう出てくるか、他の人間がどう出てくるかもわからなかっただろうし。
だから、とりあえずやってみてくれ、っていう意味だったんだろうと思うけど。僕も手探りでしたよ。
第一話目の一番初めのナレーションが、おそらく一番おとなしいんじゃないかな。
上田:確かにそうですね。
大川:静かな感じで始まってるでしょ。
上田:いわゆる「ああ、ナレーションだな」っていう感じの。
大川:全編あの感じでいってくれって言われたら、楽だったんだけど…楽ってこたーないけどさ、ここまで身を削らずに済んだ(笑)
上田:段々上がっていって(笑)
大川:自分の中では第3話で決まったの。
上田:やっぱりそうですか。
大川:前半のクライマックスシーンだから。興津はすごいし、子安もすごいし。僕の右に興津、左に子安が立ってたんですよ。二人が、ガーガー掛け合いやってるでしょ。
岩波さんはナレーションを別録りしてくれないわけですよ。だから、ジョジョがワー!、ディオがワー!てやるから、ナレーションもウォー!ってやるしかないじゃん。
上田:(笑)
大川:第3話の「蹴った!」かなぁ、あれでナレーションのテンションみたいなものが決まったかな。
その後、静かなナレーションを言ってもいいところがあったんだけど、ダメ出しがきて。
「すみません、もうちょっとやってくんないと…物足りないですわ」物足りないって何だよ(笑)
上田:場面に応じた振り幅が広いですよね。
大川:ナレーションも一緒に戦ってるみたいだった。
上田:キャラの台詞は原作準拠で「ッ」や「!」がありますけど、ナレーションも普通だったらサラッといくところを大きい「あ」が入ってたりとか。
大川:原作見ると、確かにナレーションのところがギザギザで囲まれてたりね。
それで実際出来上がったのを見ると自分の声が引っ込んでるように聴こえるから、「もっとやっといた方がよかったかな?」と思う時がある。
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