jonas05

上田耀司:皆ありえないくらい温度をガッー!と上げて、くどいくらい、繰り返しもある。後から来たブラフォードの津田さんなんかも、最初は面食らってたみたいで。

興津和幸:キャラがクールな人の方が、余計に「どうやってクールだけど熱くもっていくのか?」

上田:必ず洗礼というか、皆そこの道を通る。

興津:初めて来た時、みなさんちょっとビックリされますよね。

上田:そうそう。「戦えい!」の「い!」をちゃんと言ってください、っていうのと、小っちゃい「ッ」、「!」、これをやってくださいっていうのと。

興津:「あ」も。

上田:本当に一文字単位で演出をされる。

興津:あとアドリブというか、動きのところで「ていっ」とか「はっ」とか飛んだり殴ったり、蹴られたりしたときの音とかも細かく。

上田:(アドリブを)入れて良いのか、ちょっと迷うときもありましたよね。

興津:そう、適当には入れられないなと思って。原作ずーっとチェックしてましたよね。

上田:必ず現場に原作が置いてあって、自分の台詞は自分で責任取る、みたいな。

興津:そうそうそう。「見てきてね」って言われましたから。

上田:こっちから申告して「実はもっとこう違うイキリなんですけど」って。自己申告で原作準拠にしたところもありましたよね。

興津:ありましたね。台本に書いてあるからこれでOKかなと思ったら、原作見たらここ、違うぞって。あと「ここ書いてないからいいかな」と思ったけど、原作見たらここで「おりゃ」って言ってるぞ、とか。

上田:そうそうそう。だから、動いてるんだったら「おりゃ」を入れよう、とか。

興津:蛇がバッて来た時に捕まえるシーンがあったんですけど。

上田:ああ、指の間にね。

興津:ここ何かアドリブを入れなあかんな、と思ったわけですよ。「ふん!」とかでいいのかなと思ってたんですけど、漫画を見たら「おりゃ」だったと。じゃあ「おりゃ」と言わないわけにはいかない。

上田:原作準拠っていう意味では、いわゆる効果音の書き文字が出るでしょ?

興津:ドドドドド。ゴゴゴゴゴ。




興津:あれもビックリしましたね。

上田:あ、出るんだ、って。

興津:けっこうでかく、こう。ズキュゥゥウウンって入ってましたもんね。

上田:監督もおっしゃってたけど、「音も入りますから」って。

興津:うん。「すごくこだわって効果音作ってますから」って…「楽しみにしててください」って言われたんだけど、結局(アフレコ中には)第1話しかわからなくて。

上田:そう、皆さん早くから録っていらっしゃるんですけど、僕らがちょうど、一部の最終回…

興津:第9話の収録の直前に第1話のOAをやった。

上田:というタイミングなんですよね。僕らもそれで初めて、あっこういう出来上がりになるんだ、みたいな。

興津:感動しましたね。

上田:ね。

上田:音楽が入って、その盛り上げ方が凄いな、と思って。

興津:ありましたね。第3話最後のディオとジョナサンの戦いを見てたら、家でVTRチェックしてたら、急に♪ダラッダーダーダラッダラって。

上田:そうそう(笑)

興津:「えっ!」

上田:(笑)

興津:「音ついてっぞ!」と思って。オープニングまだ聞いてないのに、ここだけ音入ってる!って。

上田:普通は無音のものを渡されて、僕らは家で練習するんですけど。あの対決のシーンだけは最初っからもうBGMがついてたんですよね。

興津:うん。だからイメージはしやすかったですよね。

上田:イメージもだし、これはプレッシャーだなっていうのも、なきにしもあらずで。

興津:こんだけ盛り上げるからな、と(笑)

上田:そうそうそう(笑)

興津:お前らやれよ、と

上田:曲に負けるなよ、と




興津:でもなんか聞いたら、シーンごとに違う音楽を発注して作ってるって。

上田:ものすごく厚みのある曲だったじゃないですか。

興津:ええ。

上田:OA実際に見てて、うわこれは、っていう…現場では感じなかったこととかありました?

興津:スピードワゴンさんが格好よかった。あの、初登場のときの。

上田:僕の話ばっかり…(笑)

興津:いや、曲調が急に変わったじゃないですか。(笑)

上田:あ、そうそう。確かに。

興津:帽子くるくる回してるあたりとか、こういう曲も使うんだ、って。

上田:振り幅が実はけっこう広いっていうね。

興津:あとエンディングの入り方が。ずるいぐらい格好いい。

上田:それはねー。

興津:ずるいぐらい。

上田:やっぱりあれはED曲がROUND ABOUTっていうのが。

興津:YES!イエスイエスイエスイエス!

上田:あれが実は8分半くらいあるんですよね。

興津:長い曲ですよね。これどうやってEDに入れるんだろうと思ってて。

上田:そうそう。その中でどこから入ってどこで終わるか、みたいなところすごく、岩波さんが考えてました。第2話の入り方がやっぱり痺れましたよ。こうきた!っていうのがね。

興津:こういう使い方してくるんだ、っていうのがね。毎回楽しみでした。あとツェペリさんが戦いに挑むところ。

上田:第6話の。だってあれもう…最後の方はBGMもガーッて盛り上がってきてて。

興津:うん、最後にツェペリさんが左手をね、振って上げるんですよ。あれが超格好よくて。

上田:あれはけっこう、皆さんあのエンディングの印象にあるみたいですよ。

興津:ただの間抜けなオヤジじゃねーぞって。

上田:そうそう(笑)急にね。

興津:やるときはやるぞ、つって。

上田:そうそう。